日本の民族衣装・着物、久米島紬とは

久米島紬(くめじまつむぎ)は、日本の紬織物の発祥の地とされる沖縄県久米島で織られる伝統的な織物のことです。

植物染と泥染による深い味わいのある色調と、手織による素朴な風合いに特徴があります。久米島紬の歴史は古く、16世紀ごろに中国から紬を織る技術が伝わったといわれており、その後、琉球独自の織物として生産されるようになっていきます。そして中国や日本本土への土産品や貿易品として重宝されるようになり、紬を織る技術も日本全国へと伝わっていったのです。

琉球王朝時代には人頭税として、米の税金(租税)の代わりに久米島紬を王朝に納めていた歴史もありました。この貢納布制度は1903年にようやく廃止され、その後は沖縄の産業として発展していきました。平成16年には重要無形文化財の指定を受けています。

久米島紬は、糸紡ぎから図案や種糸の作成、糊張り、糸括り、染色、製織り、砧打ちといった、複雑な行程すべてをたった一人の織り子が受け持ち、手作業で作られます。

経糸(たていと)に生糸、緯糸(よこいと)に手紡糸を使い、絣糸は絵図から種糸を作って手括りします。男物の細かい絣柄には織締めが用いられます。

染色は、すべて植物染料で行われます。

グール(サルトリイバラ)、車倫梅(ティカチ)、楊梅(やまもも)、ユウナなどを細かく割り、長時間かけて煎じて染液を作ります。その染液に糸を浸し、1日に5~7回染めては干す、という作業を10日間ほど続け、それから泥媒染を加えます。媒染に使う泥は、鉄分を含んだ特殊なものです。

これらの工程を数回繰り返すことにより、あの久米島紬特有の渋い赤みを帯びた黒褐色を得ることができるのです。

基本となる色は、焦茶、赤茶、黄、鶯、ねずみ色の5色です。

焦茶色は、グール(サルトリイバラ)、テーチ木(てーちぎ)の染液に2~3回浸して染め、泥染を1回行い、これを8回ほど繰り返します。

赤茶色は、グールとテーチ木で焦茶と同様に染めてから、泥染を行わずにミョウバンを使って媒染します。

黄色は、クルボーと楊梅(やまもも)の樹皮の染液で染め、媒染は赤茶色と同様にミョウバンを使います。

鶯色は、黄色と同様にクルボーと楊梅の染液で染め、泥染を行います。

ねずみ色は、久米島特有の染色です。ユウナを細かく切って木炭のように焼き、その粉に水と豆汁を加えて攪拌した染液を使って何回も染めます。その後、ミョウバンで媒染します。

染め上がった糸は高機を使って絣柄を丹念に合わせながら織っていきます。織り上げられた布は、白木綿に包んで石の上に置き、杵で打ちます。これを「砧打ち(きぬたうち)」といい、布に柔らかさと艶を出します。

柄は、縞、格子、絣などがあり、日本の紬で最古の味を持つといわれています。

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